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こんにちは!
今回は簡易懸濁法について紹介したいと思います♪
嚥下困難や胃瘻などの患者様で、薬の飲ませ方に困っている人もいらっしゃいます
薬剤師からこういった便利な方法があると伝えられると、信頼を得られると思います
何より、困っている人の為になる
これが薬剤師として働くうえで、大きなやりがいや喜びに繋がります
具体的には以下の流れで行います
①55-60 ℃ 程度のお湯を準備
②薬を温湯に入れてかき混ぜる
③最後に、きちんとお薬が溶けていることを確認
順を追って説明しますね♪
簡易懸濁法とは

飲み薬を粉砕せず、温湯(55~60℃程度)に入れて溶かし、投与する方法です
ようするに、ぬるま湯で溶かしてから投与できる状態にする、ということですね♪
一般的には飲み込みが難しい、嚥下困難の場合に用いられます
胃瘻などの、チューブを用いて経管投与を行うケースがほとんどです
※経管投与:経鼻胃チューブ、胃瘻、腸瘻から栄養剤やお薬を投与すること
薬にもよりますが、基本的には少し砕いてから入れておくと溶けるのが速くなります
そのあたりの情報については、各薬ごとに違ってきますので、メーカーに確認しましょう!
余談ですが、以前、メトホルミン500mgという薬が飲み込めず、簡易懸濁を検討した患者様がいました
粉薬もないし、薬も変えたくないとのことでした
ちなみに経管投与などの嚥下困難ではなく、飲み込んでみるとのことでした
結果からいいますと、大失敗に終わりました
私も試しましたが、苦くて苦くて、、、(泣)
まぁ~口に残る最悪な味でした(笑)
なので、基本的には舌の味覚に影響がないような人が対象なんだ、と思い知らされました
実際のやり方は??
では実際のやり方です
簡単な3ステップでできます♪
55-60 ℃ 程度のお湯の作成方法は、水:熱湯=1:2 として混合します
耐熱性の入れ物に、水を先に入れて、お湯をその後に入れて作ります
私は簡易懸濁用の容器に、マジックで線を引いてあります
例)水➡青い線、お湯➡赤い線
電気ポットで60℃の設定ができるのであれば、簡単に用意できます
経験則ですが、使用するお湯の量は30mLほどで、5個くらいの薬は溶けます
薬にもよりますが、1~2個なら20mLあれば十分かなと思います
あまり多量に入れると、胃瘻の人ですと、食後などに逆流する恐れがあります
ですのでお湯の量は、薬の溶ける最小の量で問題ありません
この際、薬剤は軽く砕いた状態にしてからですと、溶けるのが速くなります
放置する時間はおよそ数分~10分くらいです
介護をされている人ですと、その間に何か他の作業をする人も多いと思います
理由はチューブが詰まる可能性があるからです
チューブにも太さがあります
当然ですが、チューブが細い、薬がきちんと溶けていないほど、詰まりやすいです
容器に残ったお薬を確実に投与するためです
もう一度、薬を溶かした容器に、水または作ったぬるま湯(55~60℃)を20mL以上入れます
これをもう一度、シリンジを用いて投与します
これは、薬を全量投与するのと、経管チューブを洗い流す目的でもあります
忘れずにやりましょう!
次からは適さない、注意医薬品についても説明しますね
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簡易懸濁法が適さない、要注意医薬品
ずばり【マクロゴール6000】を含有する錠剤、カプセルです
有名なのですとランソプラゾール(先発名:タケプロン)のOD錠ですね
マクロゴールは添加物として含まれています
この凝固点が56~61℃です
実際にやってみると、オレンジ色の細粒が溶けたと思いきや再凝固します
タケプロン錠は常温の水で簡単に崩壊します
他の薬も一緒に入れたい場合は、他剤を入れて温度が下がってから懸濁させると良いです
もう1件、紹介しておきます
これは私も実際に経験があったことです
健胃消化剤のS・M配合散です
これには【炭酸水素ナトリウム】が含まれておりました
つまり重曹ですね
注入器をチューブにつなぐ際、薬が噴出してしましました
メーカーに問い合わせたところ、以下の条件ではダメとのことでした
・長時間放置
・激しく振り混ぜる
・お湯が高温
上記の理由で二酸化炭素が発生して、噴出してしまうということでした
こういった内容については、専門書の購入をオススメします
個別でメーカー問合せもありですが、正直大変です
というより、一番は患者様に迷惑がかかってしまいます
私が読んだ中で参考になった情報を以下に載せておきますね♪
参考:簡易懸濁法マニュアル 第2版
簡易懸濁法のメリット
大きなメリットとしては以下の5点が挙げられると思います
(1)調剤時間が短縮
下手に粉砕せずともよく、一包化でお渡しできます
これにより、早く患者さまにお薬をお渡しできます
(2)薬の安定性アップ
粉砕しないので、薬効低下や配合変化などを大幅に減らせます
光や湿度などによるお薬の変質も防げますね
(3)一包化した薬を確認できる
粉砕すると銘柄が分からなくなってしまいます
その点で、一包化した状態でお渡しできる簡易懸濁ですと、これは安全面で大きなメリットです
(4)中止・変更の際、お薬が無駄になりにくい
粉砕した薬を混ぜていた場合、中止した薬のみの回収は不可能です
その点でも、再利用できる可能性としてメリットです
(5)経管投与の手順が、簡単で短時間で用意可能に
ハンマーで粉砕して薬を無理矢理に粉にする必要も一部省略できます
放置しておいて、他の準備ができるのは大変メリットです
簡易懸濁の注意点
ただし、以下の注意点もあります!!
・その都度調製し、作り置き禁止
・容器は毎日洗浄し、清潔に
・使えなくなった器具は交換
雑菌がわきやすい、薬が分解される等、デメリットがあるためです
上記の3点は、特に慣れてきた頃に注意しておきましょう
おさらい
①55-60 ℃ 程度のお湯を準備
②薬を温湯に入れてかき混ぜる
③最後に、きちんとお薬が溶けていることを確認
おさらいは、あえて簡単な流れで3点載せてみました
実験がてら、廃棄の薬や何かでやってみると、案外こんなもんだなと感じると思います
患者様にしっかりと説明できるよう、自分でも試していけると良いでしょう
では今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!